トレサビ

農産物のトレーサビリティについて考えてみた。

野菜の生産者がわかる仕組みが世の中にはある。
たとえば、某大型スーパーでは野菜を専用端末まで持っていくと、画面に誰が生産した野菜なのかを表示したりする。
消費者は、そこに書かれた内容を見て安心(自己満足?)したり、その野菜の購入を控えたりする。

考えるとわかると思うけど、ロット野菜に関しては、この仕組みが作りやすい。
ロット物に関しても、一度、集約するものに関しては、この仕組みは作りにくいと思う。

たとえば、(すべてとは言わないが)野菜は販売時に袋詰めしてある。これは、生産者が袋詰めしている。しかし、流通上、袋では管理しにくいので袋を箱につめて生産者が出荷すことになっている。たとえば、6袋で1箱とか。
こういう野菜は、従来は箱に自分のIDを書いていたが、現在は袋や、パッケージなどにバーコードシールを貼ったり、IDの印を押したりしたりする作業で簡単に管理できようになる。つまり、意外と手間をかけず(生産者の文句が出ず)に、販売時に消費者が生産者を知る仕組みを構築できる。

こういう野菜は、清算時に誰がいくつ野菜を売り上げたので、いくら入金するかという従来の仕組みでも使われていた物なので、生産者側に少ない労力でサービスを向上できるというメリットがある。
ところが、一度、複数の生産者の農産物を集約するような物は、簡単ではない。

たとえばお米は、生産者から見ると袋出荷だが、複数の生産者の同じ種類のお米を一度タンクに貯蔵する。それを袋につめて売るのだ。

こういう農産物は、袋の数により売り上げが決まるが、販売時のパッケージには誰のお米が入っているかわからないということになる。
なぜ、このようにするかといえば、生産者の手を離れるタイミングが、籾摺り(モミの皮をとる作業を籾摺りという)後の玄米の状態だからだ。精米は貯蔵したタンクから出荷前に行われる。
この行程を考えると、市場に出るお米に対して生産者をトレースする仕組みを維持していくのに、多大な運用コストがかかるのがわかると思う。

ところが、最近はお米に対しても、生産者を特定する仕組みの提供されてきている。

つづく・・・(かも!?)