トイレの距離

トイレを我慢して地下鉄に乗っていた。頭の中で、「降りたい駅までは、あと5駅あるけど、自分の出たい所の改札近くに、トイレがあったはずだ。それくらいなら、ギリギリ我慢できる・・・。よしっ!」そんな計算をして、日本橋の駅に着いた。
僕の出る改札は大手町側。電車で降りたのは、茅場町側だった。早足で、ホームを歩き反対側のエスカレータまで来た。エスカレータは込んでいたため、あるいて登る事ができなかった。額には汗が滲んできた。エスカレータで頂上まで来て、改札脇のトイレに入ろうとしたら・・・清掃中。「おーーーいっ!」頭の中で計算が走り出す。「そうだっ!、茅場町側にもトイレはあったはず、いやっ、確かにあった」考えつくと同時に、また、階段を折り始める。
「下りはエスカレーター無いのね・・・」ホームを世界陸上に出ている競歩選手のように、滑らかに早足で歩いていく。「もたないか〜ぁ?!」そんの事が頭をよぎるが、歩くペースは落とさない。やっとの思いで、茅場町側のトイレで用を足した。本当に汗が出ていた。いい年をして、おしっこ漏らさなくて良かった。
本当に良かった。今日はいい日だ。あついけど。